愛知県内で製造業や物流業への転職・就職を考えたとき、求人情報の「歓迎資格」や「優遇資格」の欄によく出てくるのがフォークリフト運転技能講習(通称:フォークリフト免許)です。工場内の部品運搬や倉庫での入出庫作業では、フォークリフトを扱える人材が常に求められており、資格を持っているだけで配属先の選択肢が広がるケースもあります。
ただ、実際に調べ始めると、「技能講習」と「特別教育」の違いが分かりにくいと感じる人は少なくありません。受講にかかる時間や費用も条件によって変わるため、情報が整理されておらず戸惑う人も多いはずです。「未経験でも取れるのか」「女性でも大丈夫か」「年齢制限はあるのか」といった不安を抱える人もいるでしょう。
この記事では、フォークリフト免許の種類の違い・費用や日数の目安・愛知県内の講習会場・会社が費用を負担してくれるケース・取得後に働ける職場・資格手当の相場までを順番に解説します。実技試験の合格率は高く、年齢制限もないため、未経験の方でも落ち着いて準備を進められる資格です。
フォークリフト免許の種類
技能講習と特別教育の違い
フォークリフトを運転するために必要な資格は、扱う車両の最大荷重(積める荷物の重さ)によって2種類に分かれます。最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転する場合は、労働安全衛生法に基づく「フォークリフト運転技能講習」(限定なし=どの大きさでも運転可能)の受講が必要です。一方、最大荷重1トン未満に限定して運転する場合は、より簡易な「フォークリフト運転特別教育」で足ります。
配属先の現場でどちらの資格が必要かは、使用する車両のトン数次第です。工場や倉庫で主に使われるフォークリフトは1トンを超えるものが多いため、将来的に職場を選ぶ幅を広げたい場合は、限定のない「技能講習」を受講しておくと良いでしょう。
保有免許・実務経験で変わる受講時間
技能講習の受講時間は、受講者が普通自動車運転免許を持っているか、1トン未満フォークリフトの特別教育を修了した上での実務経験があるかによって変わります。すでに運転免許を持っていたり、特別教育修了後の実務経験があったりすると、学科・実技の一部が免除され、受講時間が短くなる仕組みです。
特別教育(12時間)
最大荷重1トン未満のフォークリフトのみを運転する人向け。学科と実技を合わせて12時間で、技能講習より短時間で受講できます。
技能講習(11時間)
普通自動車運転免許を持ち、かつ1トン未満フォークリフトの特別教育修了後に3カ月以上の実務経験がある人向け。学科・実技の一部が免除され、最も短時間で受講できます。
技能講習(15時間)
普通自動車運転免許を持たないものの、1トン未満フォークリフトの特別教育修了後に6カ月以上の実務経験がある人向け。学科・実技の一部が免除されます。
技能講習(31時間)
普通自動車運転免許を持っている人向け。運転免許の学科内容(走行の基礎知識)が一部免除され、31時間で受講できます。
技能講習(35時間)
運転免許・実務経験のいずれも持たない人向け。学科・実技ともにすべて受講するため、最も時間がかかる区分です。
費用と日数
受講区分別の費用・日数一覧
受講区分ごとの時間・日数・費用の目安を整理すると、以下のようになります。費用は会場やキャンペーンの有無によって変動するため、あくまで相場として参考にしてください。
| 区分 | 受講時間 | 日数 | 費用相場 |
|---|---|---|---|
| 特別教育 | 12時間 | 1〜2日 | 約1.4万〜2.5万円 |
| 技能講習(普通免許+1t未満特別教育修了後実務3カ月以上) | 11時間 | 2日 | 約2.4万〜3.0万円 |
| 技能講習(免許なし+1t未満特別教育修了後実務6カ月以上) | 15時間 | 2〜3日 | 約2.2万〜3.7万円 |
| 技能講習(普通免許あり) | 31時間 | 4日 | 約3.2万〜4.5万円 |
| 技能講習(免許・実務経験なし) | 35時間 | 4〜5日 | 約4.2万〜5.2万円 |
費用・日数は実施する教習所や時期によって差があるため、申込前に各会場の公式サイトで最新の料金・日程を確認しておくと安心です。
実技試験に不安がある人へ
「実技試験に落ちたらどうしよう」と不安になる人もいますが、フォークリフト技能講習の実技試験は合格率が95%以上とされています。講習内でしっかり練習時間が確保されていれば、過度に心配する必要はありません。
万が一不合格になった場合でも、後日の補講と再試験で再チャレンジできる仕組みが一般的です。ただし、補講・再試験には学科・実技それぞれで追加費用がかかる場合があるため、事前に講習内容を確認し、講習中の練習時間を活用して不安を減らしておくと安心です。
愛知県内の講習会場一覧(教習所・技能講習センター)
愛知県内には、フォークリフト技能講習・特別教育を実施している教習所・講習センターが複数あります。エリアごとに主な会場を紹介します。日程・料金は変更される可能性があるため、申込前に各会場の公式サイトで最新情報を確認してください。
名古屋・尾張地区の会場
| 施設名 | 所在地・エリア | 備考 |
|---|---|---|
| 名古屋運搬機械化協会 教習センター | 名古屋市中村区 | フォークリフト技能講習を実施 |
| 愛知労働基準協会 | 学科:名古屋市中区/実技:名古屋市内 | 31時間コース受講料31,000円+テキスト代1,650円=計32,650円 |
| コマツ教習所 愛知センター | 一宮市 | 建設機械メーカー系の教習所 |
| マジオワークライセンススクール(守山校・小牧校・蟹江校・春日井校) | 名古屋市守山区・小牧市・蟹江町・春日井市 | 愛知県内に複数校を展開 |
西三河・東三河地区の会場
| 施設名 | 所在地・エリア | 備考 |
|---|---|---|
| 住友建機教習所 愛知教習センター | 刈谷市 | 建設機械メーカー系の教習所 |
| 東海教習センター 豊橋教習所 | 豊橋市 | 東三河エリアの講習会場 |
| キムラユニティー フォークリフト講習センター | 豊田市 | 西三河エリアの講習会場 |
| マジオワークライセンススクール(岡崎校・みよし校・豊橋校) | 岡崎市・みよし市・豊橋市 | 西三河・東三河エリアに展開 |
会社が費用を出すケース
入社後に取得支援してもらえるケース
ここまで紹介した会場で受講する場合、費用は基本的に自己負担です。しかし実際には、資格を取ってから転職先を探すよりも先に、会社負担で取得させてもらえる求人を探すという選択肢もあります。愛知県の製造業|業種一覧・職種・転職のポイントを解説や物流業では、入社後に会社が費用を負担してフォークリフト技能講習を取得させる制度が一般的です。未経験からでも現場に配属されながら資格を取得していける環境が整っている会社も増えています。資格の有無よりも「入社後に取得支援があるか」で求人を探すと、選択肢が広がりやすくなります。
使える公的制度
資格取得にあたっては、条件を満たせば公的な制度を利用できる場合があります。それぞれ適用条件が細かく定められているため、詳細はハローワークや各都道府県の労働局に確認することをおすすめします。
教育訓練給付制度
一定の条件を満たすと、技能講習の受講費用の20%(上限10万円)が支給される制度です。特別教育は対象外とされています。
人材開発支援助成金
事業主が従業員にフォークリフト技能講習を受講させる場合に、費用の一部が助成される制度です。会社側の申請が前提となります。
ハロートレーニング(求職者支援訓練)
求職中の人を対象に、無料でフォークリフト技能講習を受講できるコースが用意されている場合があります。対象条件はハローワークで確認できます。
取得後に働ける職場
フォークリフト免許を取得すると、以下のような職場で活かしやすくなります。
工場内物流
製造ラインへの部材供給や完成品の移動など、工場内での搬送作業に活かせます。
倉庫業務
パレット単位での入出庫作業や棚への積み上げなど、倉庫内の作業で広く使われます。
物流センター・運送業の積み下ろし
トラックからの荷物の積み下ろしや仕分け作業で、フォークリフトの操作スキルが求められます。
港湾・貨物ターミナル
コンテナヤードや貨物ターミナルでの荷物の移動作業にも、フォークリフトの技能が活かせます。
玉掛け技能講習とのセット取得で評価されやすい職場
物流・倉庫系の職場では、フォークリフト技能講習に加えて玉掛け技能講習(クレーンなどで荷物をワイヤーで吊る作業に必要な資格)をセットで取得していると評価されやすい傾向があります。愛知県の物流・運送会社で働く|トヨタ系・名鉄系・港湾系の主要9社をカテゴリー別に紹介で紹介しているような物流・運送会社では、複数の荷物の扱い方に対応できる人材が重宝される場面も多いため、将来的なキャリアの幅を広げたい人は検討してみる価値があります。
資格手当の相場
フォークリフト免許の資格手当は、手当そのものがない会社から、一定額を支給する会社まで幅が大きいのが実情です。会社の規模や業種によっても差があるため、手当の有無・金額は求人情報や面接の場で確認しておくと良いでしょう。
資格手当の出し方も会社ごとに異なり、月数千円程度の固定手当として毎月の給与に加算するところ、入社時や資格取得時に一度だけ支給する一時金として扱うところ、手当という形は取らずに基本給や時給に反映させるところなど、支給方法自体に違いがあります。求人票の「資格手当」欄だけでは判断しづらい場合は、面接の際に「フォークリフト免許の手当はありますか」「手当がない場合、給与にはどう反映されますか」と具体的に聞いてみると、入社後の思い違いを防げます。
働き先を具体的に探す際は、掲載企業一覧から愛知県内の企業の情報を確認し、自分に合った職場を探してみるのも一つの方法です。
よくある質問
Q1 フォークリフト免許は何日くらいで取れますか?
受講区分によって異なりますが、特別教育であれば1〜2日、技能講習は保有免許・実務経験の有無によって2日から5日程度かかります。免許・実務経験のない人が受ける35時間コースが最も日数を要し、4〜5日が目安です。
Q2 普通自動車免許がなくてもフォークリフト免許は取れますか?
取得できます。普通自動車運転免許がない場合は、学科・実技ともにすべて受講する35時間コースとなり、受講時間は長くなりますが、資格取得そのものに免許は必須ではありません。
Q3 フォークリフト免許の費用は会社が負担してくれることもありますか?
製造業や物流業では、入社後に会社が費用を負担して技能講習を受講させる制度を設けている会社が多く見られます。求人情報に「入社後に取得支援あり」といった記載がある場合は、そうした制度が用意されている可能性があります。
Q4 未経験や女性でもフォークリフト免許は取得できますか?
性別や経験を問わず取得できます。フォークリフト技能講習・特別教育はいずれも受講資格に性別の制限がなく、未経験者向けに学科・実技をすべて学べるコースも用意されています。実際に女性の受講者も増えています。
Q5 実技試験は難しいですか?不合格の場合はどうなりますか?
実技試験の合格率は95%以上とされており、講習内の練習時間をしっかり活用すれば過度に心配する必要はありません。万が一不合格になった場合は、後日の補講・再試験で再チャレンジできますが、追加費用が発生する場合があります。
Q6 フォークリフト免許と玉掛け技能講習はどちらを先に取るべきですか?
配属先の業務内容によります。フォークリフトのみを使う現場であればフォークリフト免許から取得すれば十分ですが、クレーン作業や荷物の吊り上げも発生する物流・倉庫系の職場を目指す場合は、玉掛け技能講習もセットで取得しておくと評価されやすくなります。
Q7 フォークリフト免許の取得に年齢制限はありますか?
年齢の上限はなく、18歳以上であれば年齢を問わず受講できます(一部、受講資格として年齢の下限が定められている場合があります)。未経験からでも年齢を気にせず挑戦しやすい資格です。
Q8 資格手当はどのくらいもらえるのが一般的ですか?
手当がない会社から一定額を支給する会社まで幅が大きく、一律の相場とは言いにくいのが実情です。手当の有無や金額は求人情報や面接で事前に確認しておくことをおすすめします。
迷ったら会場に相談から
フォークリフト免許には、扱う車両の大きさによって「技能講習」と「特別教育」の2種類があり、保有免許・実務経験の有無によって受講時間・費用も変わります。愛知県内には名古屋・尾張地区、西三河・東三河地区にそれぞれ講習会場があり、費用はおおよそ1万円台から5万円台まで区分によって幅があります。
製造業や物流業では入社後に会社が費用を負担して取得させてくれる制度も多く、公的な支援制度を利用できる場合もあります。資格手当は会社によって差があるものの、年齢制限がなく合格率も高いため、未経験からでも挑戦しやすい資格です。
どの受講区分が自分に合うか迷った場合は、まずは近くの講習会場に問い合わせて相談してみる、あるいは入社後の取得支援制度がある求人を探してみることから始めてみてください。